専門家に聞くタイでの安全対策
【タイ】犯罪に巻き込まれないよう心がけていても、知らず知らずのうちに巻き込まれてしまうことが多い。ショッピングしかり。誰もが利用する有名店でも、クレジットカードを使用したその場でスキミングされてしまうことがある。日本からの顧客、出張者、家族が、滞在先のホテルで盗難に遭うケースも多い。被害に遭ったときは、店やホテルのスタッフに任せることなく、ただちに警察に通報することが、迅速な解決につながる。
http://www.newsclip.be/news/2008323_018317.html
◇有名店・一流店でも発生するカード犯罪
タイでは有名店・一流店であっても、安心できない。スキミングによるカード犯罪が多発しているからだ。店頭の端末に、クレジットカードの情報を読み取るスキマーが巧妙に取り付けられており、カードを使用した段階で情報が流れ、ただちに香港、インドネシア、日本などに送られ、その日や翌日には各地で偽装カードが作られてしまう。
バンコクでは、ラーチャプラソン交差点界隈やスクムビット通りの各ショッピングコンプレックス、都内各地に支店を持つ有名シルク店など、日本人が誰でもいく店で、この手のカード犯罪が多発。店員でさえスキマーが仕掛けられているなど知らずに使用、どの時点で細工されるのか分からないケースも少なくない。
銀行のATM機の裏側に機械を取り付け、無線で情報を飛ばす「タッピング」という手口もある。旅行者がATM機でキャシング・サービスを利用すると、スキミング同様にカードの情報が流れる仕組みだ。カード保持者に明細書が届くのは月に1回。情報を盗まれた人は、その間に相当な被害を被っている。このような偽装カードは日本では、収入印紙、商品券、ビール券など、金券ショップで換金できる商品の購入に多用される。
被害を未然に防ぐことは難しい。月々の支払いを会社のスタッフや家族に任せっぱなしにせず、自分で購入した商品以外で請求されていないかどうか、明細書を確かめることが大切だ。被害に遭っていても、迅速に対処すれば被害額をゼロもしくは最小限に抑えられる。
◇「対応中」という時間稼ぎに乗らない
ホテルに宿泊中は、室内に現金や貴重品を置いたまま外に出ずにセーフティーボックスを利用する、という原則を必ず守る。ただタイでは、ホテル従業員がセーフティーボックスに手を出すといった窃盗が頻繁に起きる。閉まったはずの現金や貴重品がなくなっていたら、迅速に警察に通報する。ホテルの従業員に任せておくと、いつまでたっても「対応中」という返事を繰り返され、らちが明かない。
タイ国民は全員、15歳になると身分証明書の所持と共に指紋押捺が義務付けられる。犯行現場で指紋が出れば、犯人を割り出せる可能性が非常に高くなる。2004年末にタイ南部の海岸一帯で起きた津波被害でも、命を落とした被災者の身元割り出しに、指紋押捺義務が貢献した。
タイでは誰もが指紋を登録する一方で、窃盗などの犯罪の際、指紋を残さないように注意する者は少なく、捜査での指紋採取を非常に恐れる。以前、都内ホテルのセーフティーボックスで現金が盗まれた事件を捜査。指紋は出てこなかったが、「指紋が出てきたので、明日以降、全員の指紋をチェックする」と伝えたところ、翌日になって被害相当額の現金が戻されていたことがあった。盗まれたものは戻ってこないと諦めずに、警察に通報することが重要だ。ちなみにこの事件は、戻された現金に指紋が残っており、犯人を割り出している。
戸島 國雄 氏
国際協力機構(JICA)シニアボランティア、タイ警察大佐
事件・事故の際の緊急連絡先:ツーリストポリス1155(24時間日本語可能)
在タイ日本国大使館領事部邦人保護班:0-2207-8502、0-2696-3002
スポンサードリンク