JAL&ANA「マイル」顧客争奪戦…各業界巻き込み激化
日本航空は27日、航空機に搭乗すると航空券などに交換できる「マイル」がたまる「マイレージプログラム」について、有効期限の延長や航空券への引き換え弾力化などのサービスを来年4月に刷新すると発表した。全日本空輸もすでに刷新する方針を打ち出している。両社は新幹線や新興航空会社との競争が加速する中、使い勝手を良くして、顧客囲い込みを強化する。
今回の刷新では、搭乗日の翌々年の年末としていたマイルの有効期限を36カ月に延長。これまで全国一律1万5000マイルだった国内線航空券への交換基準も一部路線を除いて引き下げる。
東京-石垣など離島行きの長距離路線は2万マイルに引き上げる半面、新幹線との競合が厳しい東京-大阪などの近距離路線は1万2000マイルに基準を引き下げた。近距離路線は、年間約160日のキャンペーン期間中には、さらに交換基準を引き下げる。
国際線についても年間約180日のキャンペーン期間中は基準を最大1万マイル引き下げる。
また、上顧客を対象にマイル交換対象の座席が満席の場合でも通常座席に空席があれば、2倍のマイルで交換に応じるサービスも開始する。
来年4月に見直す全日空は、日航のようにキャンペーンを設定せず、シーズンに応じて基準の引き下げを行う。
一方、両社はマイレージサービスの利便性向上につながる提携先拡大にも力を入れている。
日航はイオンと業務提携し、来年3月から提携カードを使えば、自社のマイレージとイオンの電子マネー「WAON(ワオン)」を相互交換できるようにする。「WAONのオートチャージ機能付きの提携カードで、2年間で200万円買い物すれば、夫婦でどこでも国内旅行にいける」(西松遥社長)とアピール、航空機利用の少ない主婦層らの取り込みを狙う。
全日空もセブン&アイ・ホールディングスと電子マネー「nanaco(ナナコ)」で提携しており、全国に販売網を持つ流通大手2社の電子マネーの陣営づくりを巻き込んで、日航と全日空が顧客獲得競争を繰り広げる構図だ。
また、全日空とみずほ銀行は10月末から、マイレージ会員向けの共通カードを発行。現金自動預払機(ATM)や振込手数料の優遇、航空機利用でマイルがたまるなど、両社のマイレージ会員向けサービスが1枚のカードで受けられるようにした。日航も大垣共立銀行系列のクレジットカードに直接、日航のマイルがためられるサービスを始めるなど、スーパーと並んで日常生活で利用頻度の高い金融機関との提携も積極的に進めている。
鉄道やコンビニから引っ越し会社など、両社のマイレージの提携先はさまざまな業種に広がっており、「いまや普通に生活すれば、自然にマイルがたまる状態」(種田堅太郎日航マイレージセンター部マネージャ)。それだけに、利用者の関心は高まる一方で、「マイレージの顧客が一度他社に流れると、奪い返すのは困難」(全日空営業推進本部の田中良基主席部員)な状態といわれる。
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200711280042a.nwc
このため、新幹線やスカイマークなどの新興航空会社との競争にさらされる両社にとってマイレージサービスの競争力の重要性は増す一方で、魅力的な提携先を奪い合う“陣取り合戦”は今後も熾烈を極めそうだ。
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